メディアトレーニングのプロフェッショナル
外見リスクマネジメント提唱

logo

mail

お問合せ

03-5315-7534(有限会社シン)

03-6892-4106(RMCA)

ペンの絵 マスコミ発信活動

ウォーキングプレゼンテーション成功物語

㈱エクシング 新製品発表会 水谷靖社長によるウォーキングプレゼンテーション訓練秘話

 

カラオケのJOYSOUNDで皆さんにはおなじみの株式会社エクシングさんとは2014年の夏頃、テレビ出演での支援をきっかけにイベントがある度に支援をしてきました。窓口になっているのは広報担当部長の渡邊美宏さん。渡邊さんは、広報・宣伝における社長演出について重要性を理解していました。また、私が企画した外見リスクマネジメント体験ワークショップへの参加、広報学会での発表会にも足を運んでくださるなど、研究熱心です。2019年3月のご依頼は新しく社長に就任した水谷靖さんのトレーニングでした。2か月間に渡って私のチームで手掛けたトレーニング風景の一部をご紹介します。

 

3月上旬、渡邊さんから緊急連絡。新社長のプロフィール撮影が3月下旬にあること、さらに5月には新製品発表会をウォーキング形式でプレゼンテーションがあるとのことでした。そこで、最初に行ったのはプロフィール撮影を成功させるための着こなしコンサルティング。レクチャーはスタイリスト高野いせこさん。3月中旬のある日、準備を整えると水谷社長がフレンドリーな雰囲気で入っていきました。

水谷社長:よろしくお願いします。前任の社長、会長がお世話になったと聞いています。楽しみにしていました。

石川:プロフィール撮影、新製品発表会があるとお聞きしています。最初にプロフィール撮影があるということですので、本日は高野いせこさんによる着こなしレクチャーを最初に行います。撮影用のネクタイ、眼鏡の候補もご用意いたしました。高野さんは関根勤さんの専属スタイリスト30年のベテランで、最近では、長嶋一茂さんのCMも一手に引き受けている一流スタイリストです。社長の魅力を最大限引き出しますのでお任せください。

 

着こなしの基本、立体的なVゾーンの作り方

高野講師:最初にファッションチェックいたします。第一印象は清潔感があり、とても若々しいです。シャツの襟はワイドカラーでよいですね。本日のネクタイは悪くありませんが、お持ちの雰囲気からするとちょっと地味に感じます。もう少しご自身の雰囲気に合った若々しい色、艶感を出してもよいのではないでしょうか。それとネクタイの結び目が緩いですね。隙間があるとだらしなく見えますので、人前に出る際には隙間を作らないようにしましょう。ネクタイはディンプル、窪みを作るとより立体的になります。ネクタイを変えて結び方のレッスンもしましょう。チーフを入れると全体のバランスがよくなります。眼鏡フレームも持参しました。世界的にも著名な眼鏡ショップオーナーと一緒に選びました。いくつかかけてみましょう。

 

水谷社長:おお、ネクタイって結び方だけでこんなに変わるんですね!。眼鏡選ぶのは難しいんですよね。

 

高野講師:眼鏡はこのグレーが一番お似合いですね。皆さん、どうでしょう?エンタテインメント企業の社長ですし、新製品発表会など対外的なイベントのことも考えると華やかな雰囲気がいいのではないでしょうか。かけてみると案外落ち着いた雰囲気も出てきます。

 

石川:眼鏡だけ見ていると派手に見えますが、社長がかけると華やかさと品格が両立できていますね。社長の個性が表現できていると思います。

 

水谷さん:なるほど、自分では絶対に手に取らないフレームだね。意外性があって面白い。派手に見えるけど、かけてみるとしっくりくる。

立ち方による見え方の違いレッスン

石川:全身撮影とポージングの練習もしましょう。まずは、普段の立ち方をしてください。では、基本ポーズ。まずは両かかとを付けます。そしてポーズする場合には、どちらか片方を後ろにずらし、後ろ足に少し重心をかけ、体を少し斜めにして遠近をつけます。カメラに近い方の足のつま先をカメラに向けると足が長く見えます。

 

水谷社長:立ち方を変えるだけでこんなに見え方が変わるんですね。

 

石川:ネクタイと締め方、チーフ、眼鏡、立ち方、ポーズの知識をつけるだけで見違えるようになります。腕組みは意気込みを示す時には有効です。手の位置はいろいろバリエーションがあり、結構難しいのですが、それについては次回にしましょう。1つだけ、ポージングの簡単な練習方法をお教えします。後ろに体重移動しながら一歩ずつ下がるのです。こうやります。ふと思い立った時にやってみましょう。

 

さらにスタイリスト高野いせこさんによるレク付き同行ショッピングでお店との付き合い方、サイズの合わせ方、着こなし方レッスン

 

精悍な水谷社長をそのまま体現するスタイルの完成

 

基本の立ち方、姿勢、体の使い方

4月中旬から5月にかけては、合計3回ウォーキングプレゼンテーションのトレーニングを行いました。

1回目は自分の動きにおける課題を把握して改善するためのトレーニング。2回目は原稿読みと効果的なジェスチャー。動きは元パリコレモデルで約30年間ウォーキング指導をしているウォーキングディレクターの鷹松香奈子氏、ボイストレーニングは元俳優でシェークスピア劇経験もある山口和子氏です。1回目のトレーニング当日、水谷社長は早めに入室。笑顔で入ってきました。

 

水谷社長:お、レイアウトが何だか本格的ですね。よろしくお願いします。

 

石川:服装、眼鏡、ヘアカットの準備は終わりました。今日から3回プレゼンテーション訓練です。取引先1000名以上が集まるとお聞きしています。会場は奥行きがありますので、後ろまで見えるように大きなアクションが必要です。エンタテインメント企業らしく社長の魅力が出せるようにします。お任せください。

 

水谷社長:えー、3回もやるんだ。そんなに必要だろうか。

 

石川:歩きながらの説明は簡単そうに見えますが、実演するのはとても難しいんです。当日のリハだけではとても仕上がりません。会社や新製品のイメージに関わります。広報部門スタッフ一同の成功への強い思いがあってのトレーニングです。堂々としたかっこいいプレゼンテーションで必ず成功させましょう。私達は限られた時間で全力を尽くします。今日は、動きのプロ鷹松香奈子講師と声のプロ山口和子講師が担当します。まず、最初に少し社長のありたいイメージやお人柄をつかむためヒヤリングをさせていただきます。それから、最近のビデオ映像を見てのレビュー、自己紹介動画撮影とビデオレビューの後、登場シーン中心に基本の全身動き、基本の声出しとなります。通常は先に動きだけやりますが、今回は時間がないので声出しも最初からみてほしいということでしたので、毎回二人の講師がつきます。

 

水谷社長:大変だな。。。。でも、貴重な機会だと思う。服のレッスンも知らないことばかりで面白かったしね。新鮮です。こういうレッスン受けたことがないから、楽しみですね。

鷹松講師:最初に体のチェックです。姿勢がよくて目立った歩きの癖や体の歪みはありませんね。明るく精悍でとてもよい雰囲気をお持ちです。ただ、全体的に体の動かし方にぎこちなさがあります。目線、体の揺れ、目線、ジェスチャーを1つずつ順番に身につけていきましょう。最初に注目されるのは出てきた時ですから、そこでの礼、体の動かし方、目線が第一印象になります。そこからスタートしましょう。目線は、目だけではなく体全体を使います。体の揺れは重心移動です。では、今日は基本の動きをしっかり行いましょう。

 

水谷社長:なるほど、結構難しいね。体が思うように動かない。

 

鷹松講師:何度もやって体に覚えこませるのです。とにかく回数やってみましょう。そうそう、そうです。いいですね。登場した瞬間が意外と大事です。前を向いて堂々と歩いていきましょう。オーディエンスを意識すると自然と客席側に身体が開きます。ジェスチャーはとても有効的です。特に手の動きは大事です。無駄に動くと逆効果でうるさく、落ち着きがなく見えてしまします。話の内容に合わせて、意味のあるジェスチャーを付けてみましょう。

お辞儀や画面を指し示すときの手など、ご自分が思っているよりゆったりと動くと重厚感が出て、丁寧な印象になります。

話の切れ目に間を作るために客席を見渡しましょう。後ろから右・左とZを描くようにゆっくり顔ごと目線を送ることで間が取りやすくなります。また、オーディエンスも自分の方を見てくれたと思うようです。

また、目線は意外と目立つので、キョロキョロ動かさず、しっかり見据えることを意識しましょう。

 

水谷社長:なるほど、こうゆうコツというものがあるんですか。これは知らなかったな。

 

声の出し方、癖の発見、直し方

石川:では、次はボイストレーニングです。表情と声は一体、声を前に出すためには表情も豊かにする必要があると考えている山口講師のレッスンです。

 

水谷社長:実は笑顔が苦手なんですよ。うまく笑顔にならない。。。

 

山口講師:男性はそういう方が多いですね。口だけ笑顔にするから違和感ある表情になるのです。口元だけではなく、目もきちんと笑うのがポイントです。鏡を見てやってみましょう。

 

水谷社長:山口さんはさすが、笑顔いいですね。なるほど、目尻ですか。

 

山口講師:そうです、そうです。目もしっかり笑うと素敵な笑顔になります。では、腹式呼吸やってみましょう。背中に入れる意識です。そうです、そうです。いいですね。では、次に苦手な音の確認です。こちらの台本を読んでみましょう。

 

水谷社長台本を読む

 

山口講師:読んでみていかがでしたか。苦手な音はわかりましたか。その音をまず自覚してください。苦手な音があるときには、ちょっと間を置くなどして落ち着いて発音をするのです。自覚して落ち着いてきちんと向き合えば処理ができます。それと日本語はどこにアクセントつけるかで意味が変わってしまうので、アクセントも意識してみましょう。何を強調するのか、考えて読みます。助詞を強くしない、といったことも意識してみましょう。慣れてきたら、読むのではなく、私に語るように読みましょう。

 

水谷社長:あ、なるほど。全然違うね。こうやって読むのか。すごいね!これは勉強になる。

 

山口講師:JOYSOUNDですから、カラオケにはよく行かれますよね。カラオケではぜひ、「愛は勝つ」を歌ってください。愛は勝つを歌うと、滑舌だけではなくはっきりした発音を意識することができます。リズムがちょうど良く、音程も安定しているのでおすすめです。

 

水谷社長:もちろん、カラオケは仕事ですから接待などでもよく行きます。「愛は勝つ」を歌えばいいんですね。それならできる!やりますよ!

 

2回目は、5月8日で本番10日前。

 

石川:水谷さん、今日は2回目です。1回目の最後に課題をまとめましたね。今日までに取り組んだこと、できなかったことを教えてください。

 

水谷社長:カラオケで「愛は勝つ」を20回歌ったよ。これはできた。ただ、体の動かし方はできていないかな。

 

石川:今日は、当日の原稿台本があるのでそれに沿って進めます。鷹松講師、山口講師、私の3人でこの原稿でリハーサルやってみて、言葉のチェック、振付のつけ方を考えました。今日もやってみて言いにくい、伝わりにくい言葉はここで修正します。台本にはどこに移動したらいいのか、結構忘れてしまうと思ったので、(上手へ)(下手へ)などカッコで動きを入れました。その通りにやってみてください。

 

水谷社長:おお、この注意書き、これはありがたい。

 

3回目は5月14日、本番3日前。この日は本番と同じ規模のスクリーン表示テストとリハーサルを行いました。

こうして、スタイルトレーニング2回、プレゼンテーショントレーニング3回の末、5月17日新製品発表会を迎えました。

当日は、ヘアメイクもつけて、フルメンバーで支えました。

本番直前のお昼休み、社長が社員に感謝の言葉を繰り返していました。

水谷社長:こうゆうトレーニングの機会を作ってくれた社員達に感謝したい。本当に貴重な体験をさせてもらった。教えてもらうことは全て初めてのことばかりだったからね。

【本番のウォーキングプレゼンテーション風景】

歩きながら会場を見る余裕が生まれています

 

片手を上げて会場を見る。堂々とした雰囲気を出すことができます。

 

片手を伸ばしてしばらく止めることで注目度を高めます。

慣れていない方は手をすぐに引っ込めてしまうので落ち着かない動きとなります。

 

【トレーニングを終えて】

コツがわかるとどんどん改善していく水谷社長。皆の期待に応えて、自分のミッションを果たそう、新製品発表会を成功させよう、とする姿勢がひしひしと伝わってきました。もともと気さくで素敵なお人柄でしたが、お会いする度に魅力がアップしていきました。最後は、会場を見ながら歩く、聴衆とのコミュニケーションを楽しむ余裕も生まれ、手を振って退場するなど、自分らしい演出をするまでに至りました。今後の課題としては、「手の力を抜く」ことです。私自身も「手」には悪戦苦闘しました。月1回のレッスンで3年ほどかかったと思います。コツとしては、呼吸を整えること、間を作ること、慣れることによって克服することができると感じています。これからも改善を繰り返し、ご自分の世界を作り上げていくことと思います。楽しみです。

 

【トレーニング役割分担】

全体プログラム設計、ディレクション:石川慶子(広報コンサルタント)

服装着こなし:高野いせこ(スタイリスト)

姿勢、歩き方、振付:鷹松香奈子(ウォーキングディレクター)

スピーチトレーニング:山口和子(ボイストレーナー)

ヘアメイク:六本木美容室

記事をシェアする

関連記事一覧