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外見リスクマネジメント連載⑯相手目線でしぐさを考える

ビジネスパーソンのための新時代スタイルトレーニング「見た目を整える」第16回 相手目線に立つ営業(保険毎日新聞 2018年1月11日)

広報コンサルタント/日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事 石川慶子

今回は生命保険の営業マン向けにセールストレーニングを行っている株式会社STSC代表取締役の伊場野和夫さんと相手目線に立ったコミュニケーションのあり方について対談します。伊場野和夫さんは、ソニープルデンシャル生命保険株式会社でライフプランナー、営業所長、本社営業教育部、代理店研修課など現場を経験してきたベテラントレーナー。伊場野さんとはスマホで簡単に学びコンテンツを作ったり学習したりできるマイクロラーニング「UMU(ユーム)」のユーザーイベントで昨年3月に知り合い、どう活用しているか時々意見交換をしています。本コラムで時々掲載しているQRコードもUMUの仕組みを利用しています。私自身は営業研修でどこまで外見について研修しているのか興味がありましたので今回インタビューを申し込みました。

 

自分の姿を見て改善点を自覚する

石川 伊場野さんの研修ではビデオカメラを使うそうですね。

伊場野さん ソニーにいたということもあってビデオカメラを使うという発想はごく自然でした。当初は1台だったのですが、皆の前でやって皆からフィードバック受けるのはよくないと思った体験があるので2人1組でやる形式に変更しました。当社では30台用意してあります。

石川 30台とはすごい。私もメディアトレーニングではビデオカメラ使いますが1台です。

確かに代表グループがロールプレイしてそれに対して皆がフィードバックする形式は評論家のようになってしまうので組み立て方に注意が必要です。具体的な内容と効果について教えてくださいますか。

伊場野さん 実は私はトップセールスマンとは言えなかったのです。だからこそ売れない人の気持ちがよくわかる。昔は一人がやって皆がフィードバックする形式で、私自身もあれが悪いこれが悪いと言われてボロボロになりました。私は変えたかったんですよ、それまでのやり方を。人から評価されるのではなく、自分で気づいて改善する形式にした方が絶対伸びます。具体的な説明ポイントは3つです。1.自分を名乗る、2.自分の仕事内容を説明する、3.自分が実現したいミッションを語る。

石川 おお、シンプルでわかりやすい。商品を売るということではなく、自分を見せるのですね。それはすごくいい内容です。ビデオカメラでその様子を見るのですね。30名もいて一斉にやると他の人の声がはいってしまいそうですが実際どうなのでしょうか。

伊場野さん 高性能なマイクも30台用意してありますから、それは大丈夫。きちんと聞き取れますよ。ロールプレイの後に自分の姿と声を聞いて改善点を自分で発見するのです。お見せしますよ。

石川 結構女性が多いですね。確かに、きちんと聞き取れます。自分の姿と声を聞くといろいろなことが見えてきます。自分を客観視する訓練になり、自分の課題を自分で発見できれば改善もより早くなります。私もメディアトレーニングでは、フィードバックの前にご本人に映像を見てもらい、課題発見をしていただきます。私の場合は社長が多いのですが、映像見てどう思うかお聞きすると、案外多いのが「姿勢が悪い」「偉そうに見える」といった内容以外の見え方であることが多いのです。

 

相手への気配りが表現になる

石川 私がこのコラムで紹介している外見リスクマネジメントの内容をざっとお見せしましたが、共通点ややってないことを教えていただけますか。

伊場野さん 外見は大切ですよ。営業は初対面から始まりますから。服装はやっていないのですが、しぐさ、表情、話し方はやっています。具体的には、立ち方、座り方、お辞儀、名刺の渡し方などです。服やパンプスでの歩き方は私のカバー範囲外です(笑)

石川 動きはやっていらっしゃるのですね、たとえばどのようなことでしょう。相手をきちんと見るということですか。

伊場野さん 相手を見るのは基本ですが、じっと見すぎないこともコツの1つです。手については基本は机の上に置くのですが、手のひらを机にべたっと置かない。手の汗、脂が机についてしまいますから。

石川 ああ、わかります。清潔感はとても大切な要素ですから。動きといえば歩き方。パンプスで颯爽と歩いている姿はすがすがしいですよ。脱げないようにするコツは出した前の足のつま先を上げること。それと、一日中履かないこと。ペタンコ靴を持ち歩いて移動はペタンコ靴、大事な場面ではパンプスに履き替えると足に負担がかかりません。私も持ち歩いていますよ。とてもカラダが楽になりました。

伊場野さん ほー、持ち歩くんですか。なるほど。服装はあまり得意ではないので、教えてもらいたいと思います。ネクタイの締め方はこのままでいいですかね

石川 伊場野さんはダンディーな印象ですね。ネクタイは、窪みを作った方が立体感が出るのでお勧めです。今度一緒に営業研修プロデュースしましょう。

伊場野さん 「お客様の反応が驚くほど変わる、身だしなみと話し方トレーニング」という企画をしたら面白いかもしれない。

石川 おお、いいですね。本のタイトルにもよさそう。共著もいけそうです。

 

伊場野さんの営業研修における相手とのコミュニケーションレベル段階分けがユニークでした。怒り、不明、面白くない、共感、納得、感動とレベルが上がります。感動までいきつくのはハードルが高く、研修では「共感」を達成目標としている、そして何よりも大切なことは相手目線に立った営業、相手への気配りとのことでした。本コラムの見た目を整えるのも自分のためというよりは相手目線に立ってどう見えるかをマネジメントすることです。気持ちの良いコミュニケーション、関係性を作ることがビジネス成功につながると改めて思いました。

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