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外見リスクマネジメント連載㉑表情筋の鍛え方

ビジネスパーソンのための新時代スタイルトレーニング「見た目を整える」第21回 豊かな表情はどう作る?(保険毎日新聞 2018年6月7日)

広報コンサルタント/日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事 石川慶子

2017年11月頃から、私のセミナー受講生対象に印象形成に関するアンケートを取り始めました。「あなたは相手の印象をどこで決めますか」の質問に対して、回答で一番多いのは男女共に「表情」でした。そこで今回は、自己演出トレーナーの山口和子さん(株式会社エス・グルーヴ所属)に豊かな表情の作り方について話を伺います。

 

笑顔は歯が8本

石川 山口さん、お久しぶりです。14年前にメディアトレーニングの講師として声の部分を担当していただいて以来ですね。

山口さん パブリックスピーチトレーナーとしての歩みは石川さんからの一言でした。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会でもリスクマネジメントの勉強をさせていただきました。その時にご紹介いただいた方をきっかけに研修講師の道が始まったのです。現在は株式会社エス・グルーヴに所属して立ち居振る舞いの研修をしています。

石川 山口さんは、俳優さんでもあったので演劇で使う自己演出、声の出し方は研修でも生かされると思っていました。

山口さん 実はあのころ俳優業も行いながら生命保険会社の営業もしていました。

石川 おお、そうでしたか。それは読者も親近感持てますね。話を戻すと、演劇手法は表現力を高めるのに有効だと思っています。当時も劇団の練習風景を見学したり、山口さんの舞台を見に行ったりしましたね。本日は表情筋トレーニングについてお聞きしたいと思います。どうやったらいいのでしょうか。

山口さん 表情は眉毛、目、口をしっかり動かすことで豊かな表現力を作り出すことができます。やってみましょう。まずは、眉毛を上下させてみましょう。上に上げると明るくなり、下に下げると険しい顔になります。上、下、上、下、そうすると目も一緒に大きくなります。この運動で目の表現力を作ります。(詳細はQRコード動画をご覧ください)

石川 ほー、眉毛でしたか。それは発見です。目は意識していましたが、ポイントは眉毛運動だったのですね。

山口さん 次に目。目を左右上下回してギュッとつぶってパッと開く、を繰り返して潤いを作ります。そして、口。ウとイを繰り返してしっかり歯を見せる動きを作ります。笑顔は上の歯を8本見せることです。2本ではなく、8本です。

石川 8本ですか。なるほど、具体的でわかりやすい。8本出すためにはしっかり口や目に表情をつけなければなりませんからね。

 

引き締まった表情はどう作る?

石川 私は謝罪の記者会見をトレーニングすることも多いのですが、微笑みながら謝罪する、あるいは困った質問された時に微笑んでしまう、といったことが起きます。特にお人柄がよければよいほど、微笑み謝罪が発生してしまいますので誤解を招きます。「笑いながら謝罪されると確かに自分は気分が悪い、でも私は笑ってない」と言い張る方もいます。そのためビデオ撮影してご自身で見ていただくのですが、「あれ、これ笑っているように見える?」といった反応が返ってくることもあります。多くの方は自分の姿を見て自覚しますが、そうではない人もいるので頭を抱えます。見ても認識できない場合はどうしたものかと。視覚の問題ではなく感性の問題になってくるのでしょうか。

山口さん その方に相手の立場に立ってみていただくとかどうでしょうか。微笑みながら「申し訳ございません」と謝罪し、その表現についてどう感じたかを考えていただく。豊かな表現力はテクニックだけでは身につきませんから。

石川 私の個人的な悩みを聞いていただけますか。テレビに出演した際の表情が難しくて。私の場合、コメントする内容が危機管理なものですから笑顔でコメントすると違和感があります。かといってしかめっ面は陰湿な印象を与えるのでしたくない。温かさと引き締まった雰囲気を両立させる表情がないかなと研究している最中です。口を引き締めると口角が上がってしまい、笑みに近くなるだけでなく、ほうれい線が出てしまうのです。

山口さん 石川さんは普段の表情が口角上がり気味ですので、確かに口をギュッと引き締めるとさらに口角が上がってしまいますね。むしろ下げる意識がいいかもしれません。その表情を作るには、下唇の中央にちょっとだけ力を入れて上に上げると口角が下がります。

石川 おお、すごい!本当です。これならほうれい線強調を避けることができます。さすが表情のプロですね。

 

小説、映画で感性を鍛える

石川 先ほど表情づくりはテクニックだけでは身につかない、という話がありました。具体的には何が必要でしょうか。

山口さん 表情はその人の感性を表します。表情を豊かにするには感性の豊かさが必要になってきます。表情作りに苦労している人に聞くと、ビジネス書しか読んでない方が多いです。小説、映画、舞台など感性を鍛えることができるものに接触していないのです。ビジネス書以外のことに触れる機会を増やすと表現力が高まると思います。

石川 それは同感です。元総理大臣の小泉純一郎さんは、「感動した!」などストレートに表現することで人気がありました。彼は演劇、舞台などがお好きでしたがそれが表現力を高めていたと思います。息子さんの進次郎さんも演説が面白いと評判ですが、落語を観劇して研究しているようです。「最初は誰も聞いてくれなかった、自分の録音テープ聞いたら実につまらなかった」と語っていることからもわかるように、最初からうまかったわけではない。自分の姿に向き合うのが第一歩のようです。感性は鍛えることができる、ということですね。本日はありがとうございました。

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