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外見リスクマネジメント連載⑨正しい歩き方

ビジネスパーソンのための新時代スタイルトレーニング「見た目を整える」第9回 正しい歩き方って?(保険毎日新聞 2017年6月1日)

広報コンサルタント/日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事 石川慶子

 

足のかかとをつけて体を引き上げる

8回目の前回は、自分に向き合うこと、自分の癖を知ることについて書きました。今回は姿勢の基本である立ち方と歩き方について自分の体験を交えて解説します。

私が初めて正しい姿勢や歩き方の指導を受けたのは2015年1月。それは私の人生を大きく変える第一歩だったと思います。「歩くってこんなに難しくて奥が深いのか」と感じながら夢中になって歩いていました。考えてみれば起きてから寝るまで私たちはずっと動き続け、歩き続けます。この動作の中で少し意識することで体を矯正できるというのは大きなチャンスがそこにあるともいえませんか。

実践してすぐに効果が出たのは「立ち方」。指導歴27年のモデルウォーキング講師、鷹松香奈子さんのキーワードは「引き上げる」。

「かかとをつけて立ってみましょう。つらい人は内転筋が弱くなっている証拠。老化現象の始まりです。まずここをしっかり鍛えましょう。こうやって立つだけでヒップアップ効果はありますよ。1分でもいいので毎日やることです。気づいたときに数秒でもいいので意識してやってみましょう。歯磨きの時や電車で立っている時。ほんの少しでいいからやってみて、そして時間をどんどん長くしていくのです。体を引き上げる意識を常に持ってください」。

「数秒ならできそう!」「ヒップアップのためなら頑張る!」といった気持ちが湧き起こりました。小さな努力でも続けることが成果につながります。リスクは意識すること、その意識の積み重ねがリスクマネジメントともいえます。

現在、私が立ち方でリスク、つまり、課題として認識しているのはプレゼンテーションの際の立ち方。スクリーンの前に立って力説する際に仁王立ちになってしまうのです。つい最近まで気づきませんでしたが、プレゼンテーション写真を全身撮影してもらった際にわかりました。スカートをはいているのに何ともお恥ずかしい。パンプスをはいているのでバランスが崩しやすいからでしょう。両足のかかとを近づけるとバランスが崩れるので前後にずらしてバランスを取る練習をしています。

 

初めの一歩は伸ばす意識から

さて、大切な初めの一歩はどう進めるのでしょうか。ここから歩き方の本番です。まずは靴を脱ぎ、足の裏全体を使って歩く練習からスタートです。ここでのキーワードは「足の裏全体を使う」こと。大地を踏みしめる感覚というのでしょうか。地に足をつけてあるくのは心地が良いものです。体の軸ができると気持ちの軸も出来てきます。

鷹松講師「前に出す足の先はしっかり上に向けましょう。前の足を下ろしたら今度は重心を前に移動させて前足に乗り切ってしまいます。後ろ足は親指を使ってしっかり押し切ってください。そうすると自然と大きくゆったり歩けるようになります。ヒップアップにもなります。最初はロボットのように感じるかもしれませんがそれでいいんです。さあ、続けましょう。体に覚え込ませましょう」。

この単純そうに思える動きを身につけるのが一苦労。ぐらぐらしてまっすぐ歩けない。重心が前に行かず後ろになってしまう、体に力が入ってしまう、足が伸びきらない、、、。悪戦苦闘していると鷹松講師からもう一声。「では、上半身をひねってみましょう。足を大きくクロスさせてみましょう。最初は大げさに腕を使っても構いません。ひねりが入ると全身を使うので楽に歩けるようになりますよ。日常生活でひねりを使わない人が増えています。このひねりを意識して日常生活に取り入れると体によい刺激を与えることができます。全身運動にもなります」。ふむふむ、奥が深い。

足の裏を使う、親指を使う、重心を移動させる、体を引き上げる、このちょっとした動作を続けることで私の体もどんどん変わってきたように感じます。その成果は、なんとこの年になって身長が1センチ伸びたのです。当協会の荒木理事長、相馬事務局長も外見リスクマネジメントのお手本となるべく努力を続けています。

 

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