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外見リスクマネジメント連載⑦シンプルにまとめると応用できる

ビジネスパーソンのための新時代スタイルトレーニング「見た目を整える」第7回 首回りをどう見せるか(保険毎日新聞 2017年4月6日)

広報コンサルタント/日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事 石川慶子

謝罪時の外見マナー

前回の女性版は足の見せ方でした。今回は首回りに焦点を当ててみましょう。首回りは日常的なコミュニケーションの中でもっとも目立つ部分です。ここをどう見せるかで印象も大きく変わるといえるでしょう。

2014年秋から2015年春にかけては女性議員の謝罪が相次ぎました。小渕優子さん、松島みどりさん、上西小百合さん、中川郁子さん、片山さつきさん。細かく分析したのですが最終的にテレビ局がピックアップしたのは外見でした。それもそのはず。一般人からすると違法かどうかなどはよくわからないですから。

小渕さんは政治資金規正法違反疑惑、松島さんは公職選挙法違反疑惑、上西さんは本会議を欠席して男性と旅行したことが不謹慎と批判され、中川さんは不倫疑惑をかわすため逃げ込んだ禁煙の病院で喫煙したこと、片山さんは参議院外交防衛委員会で委員長でありながら政府側答弁要領を持ち込んでいたことが批判されるなど内容は様々。

全ての謝罪コメントを分析し、じっくり観察したのですが、内容と外見が一致していたのは小渕優子さんだけでした。「知らなかったでは済まされない問題だ。責任を感じる。今やらなければならないのは、私自身の問題でしっかり調査をすることだ」とコメントは完璧。タイミングも10月16日の報道4日目の20日に経産省大臣を辞任とスピーディー。辞任会見では、アクセサリーはシンプルで目立たず、紺ジャケットに白のインナーでした。髪型もいつも通りすっきりとして顔が見える状態でした。謝罪の際には表情が見えることも大切なポイントです。それだけで潔さを表現することができるからです。

一方他の方々はみな疑問が湧く服装ばかり。松島みどりさんは法務大臣辞任会見でおめでたい印象を与える真っ白のスーツ、上西さんは厚化粧に胸が大きく開いたインナーでは謝罪の言葉は全く伝わりません。中川さんは白のインナーまではよかったのですが透け感がある点が脇の甘さを表現していました。片山さんは髪で表情が見えず、清潔感に欠けていました。これでは謝罪という潔さの気持ちが伝わりません。

どんなにリスクマネジメントをしていても失敗することはあります。謝罪をしなければならない場面では、言葉だけでなく服装も一緒に謝罪モードにすることが大切です。ここでの表現を失敗すると「対応が悪い」といって批判され、2度失敗しているように見えてしますのです。

 

普段からシンプルにまとめる習慣を

普段から外見は非言語コミュニケーションであることを認識していると謝罪時にも自然にできるようになります。特に年を重ねるとどんどん華美になっていく傾向があるので要注意です。「引き算のファッション」を提唱しているスタイリストの高野いせこさんに普段から心がけるための具体的なコツを聞いてみましょう。

 

石川「私は高野さんから引き算のファッションという考え方を聞いてから、毎朝鏡の前で格闘するようになしました。アクセサリーをつけたいという衝動との闘いですけど(笑)。最近はようやく慣れてきましたが、シンプルさをよしとする感性の育成には結構時間かかりました。驚いたのは、先日高野さんからカメリア買っていいと言われた時。」

高野「石川さん、誤解しないでくださいね。ビジネスの時には相手に失礼にならない服装であることが基本ですが、アフターファイブやパーティーなどでは華やかにしていいんですよ。服はなかなか持ち歩けませんが、アクセサリーなら持ち歩けて付け加えることができます。一瞬にして華やかさを演出できる便利な小道具です」

石川「持ち歩くという発想も盲点でした。身に付けばどうってことありませんね。服装のコーディネイトに取り入れる色はトータル3色まで、というのもわかりやすくて実践しています。」

高野「多色使いはコーディネイトのバランスを崩し、清潔感もなくなります。大柄も避けましょう。特にワンピースですと華やかになりすぎるので昼間はジャケットを着て抑え、パーティーでジャケットを脱ぐといった演出がスマートです。」

石川「今日は3名の女性のインナー選びのポイントについて写真を用意しましたので詳しく解説お願いできますか」

高野「Aさんは首が長いのでアクセサリーに見えるブラウスでアクセントをつけました。Bさんは身長が高くないのがお悩みでしたので、Vラインのインナーにアクセサリーなしの着こなしをお勧めしました。Cさんは、、あれこれって石川さんでは?」

石川「はい、そうです。私からのリスクエスト覚えていますよ。危機管理の話をするのできついイメージになりがち。柔らかさを演出したいとお願いしました」

高野「石川さんはショートヘアなので襟が立つジャケットが似合うと思いました。このように個性的で華やかな襟のジャケットにはインナーをできるだけシンプルにするのがポイントです」

石川「おかげで評判いいですよ。Aさんは、周囲の期待がすっかり高まり少々たじろいでいました。Bさんは、今までの自分の服は何だったのか、とちょっと落ち込んだとか。まあ、戸惑いやくやしさは成長の糧になりますからよしとしましょう。そしてやるなら徹底的に極める覚悟で取り組めば全く違う世界が見えてくると思います」

普段から自分の体型や見せたい印象に意識を持ち、相手の目線から相応しい服装を考えることが習慣化できればここぞという場面でも自然にできるといえそうです。

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