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マイクの絵 メディアトレーニングとは

2003年RMCA会報誌掲載執筆原稿
「トップはメディアトレーニングを受けるべき」

umu.co.jpクリックするとトレーニング解説動画になります。

メディアトレーニングとは

メディアトレーニングは、「マスコミや世論の現状を把握し、記者会見やインタビューに対してスムーズに対応できる能力を育成する訓練」として日本でも定着してきました。私はもっとシンプルに定義しており、メディアトレーニングとは、「カメラ目線で自分を客観的に見る訓練」としています。近年は、記者会見はリアルタイムで中継されることから、マスコミからの評価の前に視聴者、ステークホルダーにダイレクトに流れて評価されてしまうからです。非言語コミュニケーションの重要性の認識や研究が盛んなアメリカでは、早くから政治家や企業トップ、広報担当などのスポークスパーソンは必ず受ける訓練として広がり、日本においては、2000年の雪印乳業食中毒事件における「俺は寝てないんだ」発言が繰り返し報道されることをきっかけにして、必要性が広まりました。

なぜメディア・トレーニングが必要なのか

ある大手商社が社員の不祥事についての説明責任を果たさなかったがゆえに、記者が会社に殺到して広報部長を突き上げ、挙句の果てに、所属する記者クラブへの出入り禁止までされたことがあります。緊急事態発生時にマスコミはまずトップの説明責任を要求してくることを知らなければなりません。

企業トップが説明責任を果たさなかったり、記者会見や取材時に対応を誤るとどのようなことが起るでしょうか。マスコミでのマイナス報道、消費者離れ、株価の下落、ブランドイメージの失墜、売上の低迷、従業員のモラル低下等、そのダメージは深刻です。対応を誤ると第二のクライシスが発生する危険があることを肝に銘じる必要があります。

マスコミと一口に言っても、テレビ、新聞、雑誌、ネット、ラジオでそれぞれメディアの特性は異なります。部署によっても記者の関心事やジャーナリスティックな視点が異なりますから、対応するメディアの特性や記者の関心時とその背後にいる読者や視聴者層を理解して対応をしなければなりません。記者会見という多数の記者を相手にコメントをしていく場合とインタビューで記者が深く踏み込んでくる場合の対応も異なります。テレビ取材の場合などは、数秒単位での放映しかされないため、的確な短いコメントが非常に重要になってきます。

メディア・トレーニングではシミュレーションを中心に行います。頭で理解しても実行はできないからです。表情や話し方、服装や髪型など外見上の注意事項もチェックして講評します。特に女性を重要な消費顧客としている企業は外見には細心の注意が必要です。テレビで初めて愛用製品の企業トップを見た時に、よい印象を与える事は大変重要なブランドコントロールです。もしその時にイメージを悪くすれば、女性顧客は二度と商品を購入しなくなるでしょう。

メディア・トレーニングの目的

トレーニングには3つの目的があります。
1) 記者からのどんな質問にも的確に答えられるように準備すること
2) 記者からの辛辣な質問や誘導尋問に慣れ、的確に対応できること
3) 記者から理解され、信頼・好感をもたれること

記者会見の設定をする場合には、必ず想定問答集を作成しますが、実際には記者は想定していなかった質問もしてきますし、答えを誘導するような質問をしてきます。ベテラン記者の場合には、実に巧に答えにくい質問をしてきます。このような場合、想定していなかったからといって回答をしないわけにはいきません。記者は仮説を立てた質問をする傾向が強いので、この場合にも答え方を慎重にしなければなりません。すぐにその場でわからないことやあいまいなことについても対応方法の基本を身につけていれば余裕をもって回答することができます。オープンマインドな姿勢で余裕をもってにこやかに対応する人には自然と親近感や信頼感が沸いてくるものです。

項目 内容
レクチャー例 経営における広報戦略の位置づけ
成功事例と失敗事例から学ぶ
マスコミの特性、記者の質問手法と対応方法
記者会見、インタビュー、電話、メール対応での注意事項
インタビューですべきこと、してはいけないこと
記者会見ですべきこと、してはいけないこと
外見上の注意事項(服装、ヘアメイク、表情と声、姿勢、歩き方、しぐさ)
緊急事態の対応、平時の危機管理(リスクマネジメント)
スタッフ訓練 スピーチ原稿やポジションペーパー作成
トレーニング例 平時における記者発表会(記者会見)のシミュレーションとレビュー
通信社・テレビ・新聞・雑誌、ネットメディアのシミュレーションインタビューとレビュー
緊急事態発生時の記者会見シミュレーションとレビュー
表情筋と声の出し方
ビジネススーツの国際的マナーと着こなし方個別トレーニング
立ち方、歩き方、手の使い方個別トレーニング

スポークスパーソンのためのチェックリスト

スポークスパーソンとは、報道発表を担当する役割を担う人を意味します。その役割を担う人は時には広報担当者であったり、社長であったりします、記者会見における注意事項についてのチェックリストの例を参考までに紹介します。こちらのチェックリストは通常の記者会見やインタビューにおけるチェックリストです。緊急事態においては、さらに謝罪方法における細かい注意事項が加わります。実際のトレーニングにおいては、シミュレーション別に想定問答集を作成して実施し、収録したビデオを見ながらレビューを行います。下記のチェックリストは一般的なリストですから、基本のチェックポイントを知った上で、個性に合わせた演出を開発していきます。

項目 内容
態度 経営における広報戦略の位置づけ
成功事例と失敗事例から学ぶ
マスコミの特性、記者の質問手法と対応方法
記者会見、インタビュー、電話、メール対応での注意事項
インタビューですべきこと、してはいけないこと
記者会見ですべきこと、してはいけないこと
外見上の注意事項(服装、ヘアメイク、表情と声、姿勢、歩き方、しぐさ)
緊急事態の対応、平時の危機管理(リスクマネジメント)
内容 事実を述伝えたか
キーワードを繰り返したか
事実未確認のことについて憶測で発言しなかったか
専門用語を羅列せず、わかりやすい表現をしたか
ワンセンテンスを短くしてわかりやすい表現をしたか
誘導尋問にひっかからなかったか
目線 相手を見ていたか
目は泳いでいなかったか
下ばかりをみていなかったか
外見
その場にふさわしい服装であったか
(男性:スーツの色、柄、ネクタイ、締め方 女性:スカートの丈、デコルテ、アクセサリ、詳しくは外見リスクへ)
眼鏡の指紋や汚れは取ったか
爪は切ってあるか
姿勢を正して座っていたか

メディア・トレーニングは、インタビュー時の注意事項を身につけるだけでなく、自分が人からどのように見えるのか、伝えたい事は伝わっているのか、あるいは効果的に伝えにはどのようにしたらよいか、ということを考える場ともいえるのです。

(2019年3月に改訂して執筆 石川慶子)