日経新聞でフジテレビの対応についてコメント
記事全文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE2733Y0X20C25A1000000/
事態を軽視、社長の選び方も見直し必要
危機管理に詳しい広報コンサルタントの石川慶子氏

危機管理は初動が大切だ。問題が起きたら軽視せずに深刻に受け止め、調査するのが基本中の基本。被害者の人権を盾に後ろ向きな対応を正当化するようなことは許されない。フジテレビはこれまでその場しのぎの対応に終始してきたようにみえる。
27日の記者会見も冒頭で謝罪をしながら、番組継続の判断や人権意識の不足について「第三者委の調査に委ねる」といった発言を続けた。17日の会見に続き、ずさんな対応の責任を認めずに逃げているような印象がなお残った。
トラブル把握後にコンプライアンス担当部署に報告が上がっていなかったのも、規範意識の欠如を示している。法的な観点から問題の重大性を判断できる担当者との情報共有が早期からできていれば、女性に配慮しながら適切な調査や対策につなげられたのではないか。
一番の問題は事態の重大さを認識できずに軽視したことだ。社長が経営のプロではなく、危機管理の訓練もしっかりと受けていなかったのだろう。トップの交代では不十分で、社長をはじめとする幹部の選び方、体制づくりも含めてあしき慣習を見直す必要がある。