花美術館vol.88に、新しい富士山が掲載されました

花美術館vol.88「木下利玄と白樺派」号に新しい富士山をテーマにした作品が掲載されました。

創意に満ちた色彩効果「石川静」

この心象的風景から放たれてくる寂寞感。過去に刻み込まれた心の葛藤や生命力、あるいは自然の鼓動、追想や幻想を捉えて描いているようだ。作家は鑑賞者を元気付け幸福感に浸らせるような自由なタッチでまとめあげている。常に楽しい創意に満ちた作品を求めている。

 

 

「富士山、奏でる」2024年 油彩・キャンパスF10

 

宇宙空間に赤富士や惑星が浮遊している様子だろうか。暗闇の中に無数の点や円が漂っている。そこには何とも言えない点や円が漂っている。そこにはなんとも言えない不思議な空気感やロマンが感じられ、心に染み込むような安らぎが感じられてくる。響きあう色のハーモニー。この光がもたらす色彩効果は作家独自の色彩であろう。

 

「神秘の子、現れる」2024年 油彩・キャンバスF8

真っ赤な背景に佇む「神秘の子」。湧き出る命の泉のような光を放出しながら柔らかく揺れ動いている。平面的で一見シンプルに見えるが、豊かな暖色で明るく単純化した画風である。画面全体に色を調和させて全体の安定を図っている。

(文/鈴木輝實)