2016年、月刊花美術館vol.47に「舞い降りた天女」「宙シリーズ<集会>」掲載

2016年、月刊花美術館vol.47に「舞い降りた天女」「宙シリーズ<集会>」掲載

 

<評論>鈴木輝實

文学性と奇抜さ 

【羽衣】

羽衣伝説は日本各地に存在する。その多くは説話として語り継がれているようだ。作品は天女と思しき女性が描かれている。背景には炎のようにうごめく色衣とも、木に掛かって風に揺れている衣とも、立ち枯れた植物とも、不思議で奇抜な世界観を展開している。この空間を満たしているのは太陽の光ではなく、ある霊的な光でもある。白い頃もを纏った天女はこれから舞を舞うのか、それとも天へと上って霧に紛れて消えていくところなのか、文学性のある作品である。

 

【集会】

海底生物の貝たちが寄り添って何かを語らっているのだろうか。青く静寂な世界には、種々の奇抜な生き物がうごめき合っている。地上では争いごとが多く見られるが、海底は平和そのものである。下の方に描かれている青の線は波紋のようでもある。精妙な貝の白さを効果的に引き締めている。