花美術館VOL.62に「バイオーラⅡ」掲載

花美術館VOL.62に「バイオーラⅡ」掲載

<評論>嶋田華子

興に乗った姿態

バイオーラ(bailaora)とは、女性のフラメンコダンサーのこと。赤く燃え上がるような情熱的な一作。前作の「バイオーラ」(2014)の連作であろう。前作では、くっきりと縁どられたアイメイクに、昴然と頭をもたげて前進していく姿に、独特の勢いがあったが、本作ではより自由に身をくねらせており、即興的な動きを捉えている。興に乗った姿勢からは、情熱と哀愁に満ちたギター演奏の調べが聞こえてくるようだ。フラメンコの語源は「炎」を意味する「flame」からきているとされており、赤い衣装はもちろん、赤く黒く独特のマチエールの背景も火のダンサーという趣である。コルドベスと呼ばれる頭頂部が平たい帽子は、踊りの中でも重要なモチーフであるが、手具を使って踊るのは珍しく、このダンサーが熟練した踊り手であることを示すのだろう。

 

【バイオーラⅡ】油彩 5M