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ビジネスパーソンのための新時代スタイルトレーニング「見た目を整える」第17回 よい質問で変革(保険毎日新聞 2018年2月1日)

広報コンサルタント/日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事 石川慶子

 

今回は、180日間営業変革プロジェクトというサービスを提供している株式会社アイマム代表取締役嶋谷光洋さんに変革をテーマにしたインタビューを行いました。嶋谷さんは、30年以上さまざまな業界の営業所で人材開発と業績向上の両方を実現してきています。昨年からは保険会社の営業現場の課題について相談を受ける機会が増えているとのことです。見た目改革にご自身も3年前に取り組み、本コラムでも第2回目にビフォーアフター写真をご提供いただきました。その後の効果などについてもお話を伺いました。

 

フィードバックで成長推進

石川 人の成長と業績向上を実現する「180日間営業変革プロジェクト」というユニークなサービスを提供されていますが、人も育って業績も上がるという夢のようなことが本当にできるのでしょうか。人がそんなに簡単には変われないと思いますが。服装で見た目は簡単に変わることができますが。

嶋谷さん (笑)そうとも言えないですよ。業界によっては組織と人が変わっても服装のセンスは変わらないところは結構ありますよ。(確かに服装ほど簡単ではないですね(笑)。)一人では確かにそんなに簡単には変われない。特に組織の中ではね。ただチームでなら相乗効果で変わることができますよ。例えば、止めることを決める会議というのをよく(最初に)やりますが、報告のような会議は無駄だなと思っても一人だとやめられない。でも皆で決めたら止めることができます。

石川 なるほど。営業のスキルアップ研修とは違うのですね。

嶋谷さん 昔は個人のスキルアップ研修もしていましたが、個人でスキルアップしても現場の仕事環境、風土が変わらないと元に戻ってしまうという現実を目の当たりにしたので、営業現場の習慣や仕組みを変える形に変えました。

石川 ほー、営業所に行くのですね。研修ではなくそれはまさにコンサル。現場にいきなり行くのですか?抵抗されませんか?

嶋谷さん よくぞ聞いてくれました。いきなりは行きませんよ。各営業所のリーダーを集めて二日間の研修をやってから半年間のフォローをするのです。現場で定着するまで定期的な訪問をして、リーダーたちと一緒に現場の真の問題を見つけ出して解決をしていきます。その解決の過程で人財開発の手法も入れるので組織に一体感が生まれ、自信もついてきます。

石川 研修で意識づけをしてから現場で実践フォローするという組み立ては、外見リスクマネジメントの展開でも参考になりそうです。人財開発というのは魅力的な言葉ですね。具体的にはどのようなことをするのですか

嶋谷さん 相手の気付きや成長・モチベーションUPに結び付くようによく考えてから質問をする。問題として出されたことに対しては相手を攻めるのではなくその問題の本質にたどり着けるような質問で掘り下げていく。フィードバックでは相手の成長を願って出来るだけ本音で話す、協力できることを述べるというルールを決めます。ファシリテーション力がお互いについていくので現場の雰囲気がどんどん前向きに変わっていきます。

石川 よい質問って大切ですよね。見た目改革コンサル現場でも自分の姿に向き合いたくない人が多いので、「自分をどう見られたいですか」「実際にはどう見えてみると思いますか」という質問で掘り下げていくようにしています。以前、嶋谷さんの研修を見学させていただいた時のペアセッション(二人で討議)効力は絶大だと感じましたので、最近、「お互いにどう見えるか印象を語り合いましょう」という時間を作りました。たった1分ですが意外な発見があったということで好評です。フィードバックは少しの時間でも効果がありますね。変革促進の力になります。

嶋谷さん そうそう、報告やレクチャーにほんの少しでいいので「よい質問」と「フィードバック」を組み合わせることで思考が格段に深まって成長します。

 

営業の武器としてのスーツ

石川 営業変革プロジェクトに「見た目」も入れませんか?もっと楽しくなりますよ。

嶋谷さん いいね。そういえば、見た目について営業現場で盛り上がったエピソードがあります。会社目標を次々に達成してどんどん伸びていく営業所がありましたが、何だか営業マンに元気がない。理由を聞いたら、自分たちのためのお祝いをしていないことがわかりました。そこでどんなお祝いをしたいか出し合ってもらいました。盛り上がりましたよ。温泉とか旅行とか飲み会とかありましたが、意外なことに「営業の武器であるスーツ、ネクタイ、シャツ、靴の購入券」という項目が出てきて、投票したらそれが一番支持率高かった。

石川 それは意識が高くていいですね。営業における見た目の重要性がわかっている。全部一式揃えるとそれなりの金額にありますからね。

嶋谷さん 営業マンですから営業に役立つもの、さらに売上に役立つ、会社に貢献できるからと考えて上がってきたともいえます。限られた給料の中では十分満足いくものが購入できないということでしょう。いいものを身にまとって営業に出ていくことでモチベーションも上がるということではないでしょうか。

石川 嶋谷さんは3年前に外見変革にチャレンジしましたが、その後何か変化はありましたか。

嶋谷さん 意識と行動が断然変わりました。ブランド品を身にまとえばいいということではなく自分の体に合ったスーツを着用することの気づきは目からうろこでした。どこに出ても自信たっぷり。まあこれは前からか。外見を褒められることが多くなりましたね。女性にモテるようになったり、最近ではジェームズボンド6代目のダニエル・グレイクみたいだと言われて最高にいい気分(笑)。ほめられるとどんどん舞い上がって、もっと褒めてもらいたいと思うから努力する。体型維持しないといけないから筋トレにも力が入ります。ボディも引き締まって好循環。あの時やってよかったと思います。

石川 保険営業マンの外見についてはどう見えますか。

嶋谷さん 法人保険の営業の人は服装の着こなしはさすがだと思うことは多い。一方個人保険営業の人はちょっと気づかいが足りないと感じました。気持ちが服装に出てしまうようです。金融商品を取り扱っているのですから信頼される外見は必要ですね。

石川 今日はベスト着用でかっこいいです。着こなしている人は少ないですが、これも外見変革の成果でしょうか?

嶋谷さん ベスト着用していれば上着脱いでも失礼ではないという知識を得てからスーツオーダー時に一緒に作るようにしました。スーツ着こなしマナーの知識得ることは大切です。

 

嶋谷さんの営業変革プロジェクトで実践されている「よい質問」「フィードバック」は自律的な変革推進にはなくてはならない要素だと感じました。これなら人の成長と業績が共に実現できる。見た目を整える改革の参考になりました。

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