外見リスクマネジメント連載⑤足の演出
ビジネスパーソンのための新時代スタイルトレーニング「見た目を整える」第5回 公式感ある女性の足の見せ方(保険毎日新聞 2017年2月2日)
広報コンサルタント/日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事 石川慶子
すっきり見せるにはナチュラル&飾りなし
男性の場合、ネクタイは顔にも近くわかりやすいので取り上げました。さて、今回女性の場合はどこを取り上げるかしばらく悩みましたが、同じ首回りではなく、あえて足に着目することにしました。冬は寒いのでタイツにしがみつきたくなります。私も以前は、タイツは細く見えるはずと考えて好んではいていました。ところが、写真を見て考え方を変えることにしました。そう、どう見ても黒タイツよりもナチュラルの方が清潔感があり、すっきりと見えるのです。防寒も大切ではありますが、演台に立って足が見えてしまう場合には黒タイツは相応しくないと考えるに至りました。必ずナチュラルストッキングに履き替えて演台に立つことにしました。
また、パンプスは飾りがなくてつまらないと考えていましたが、パンプスの方がシンプルで足がすっきりと見えると写真を見て自覚してからは、バンドや飾りがついたものを封印しました(図1)。パンプスは一日中履いているのはきついので、人前に出る場合には持ち歩く、あるいはロッカーに入れるといった工夫をすればいいのです。これがとても楽。駅や電車はスニーカー。人前に出る際にはパンプス。足を守ることにもつながっています。
そして、座るとさらに目立つのが足(図2)。つい無防備に座ってしまいますが、要注意です。椅子に座っても背もたれに身を任せず、足は斜めに流すのが基本です。最初は慣れず、腹筋もないのでついだらっと座ってしまうかもしれませんが、最初は1分、次は5分、次は15分、と続けていくうちに1時間でも2時間でも背もたれなしで座ることができるようになります。今こうしてパソコンで原稿を書いていますがすでに2時間背もたれなしでワークしています。同時に足も斜めにしていれば慣れてしまいます。また、内側の足を少し後ろにずらすと足が1本に見えるのでさらに細く見せることが可能になります。
相手を尊重する気持ちを表現する服装のあり方
会社を訪問すると気になるのが、やはり足回りです。なぜかというと、動くからです。人間は動くものを目で追う動物的本能があります。ですので、座っていると足から最初に目に入ります。足からさかのぼって顔に至ります。最近ある大手メーカーを訪問しましたが、黒タイツに派手な飾りのついたペタンコ靴で案内され、ちょっと落ち着きませんでした。ある会社では室内履きのサンダルで登場した女性管理職の方もいました。こちらは危機管理広報の先生として相談やコンサルティング対応のために訪問するわけですが、さすがにため息が出てしまいました。
スタイリストの高野いせこさんは次のように述べています。「以前、大手生命保険会社の女性営業社員向けのファッションマナーを指導しました。当時、黒タイツやストッキングをはいていた方が多かったのですが、黒は夜の雰囲気が出てしまうのでやめていただきました。お客様への清潔感あるおもてなしには、ナチュラルストッキングが基本だからです。服装は相手を尊重する気持ちを表すコミュニケーションツールでもあります。どのような服装で相手の前に出るのか、相手からどう見えるのかを考えて服選びをしてほしいですね」。
https://rmcaj.net/_userdata/style/b15_170202p11.pdf