広報コンサルタントのつぶやき⑩東芝不正会計と広報ができること
2015年7月28日 東芝不正会計と広報ができること
クライシス・コミュニケーションの歴史において、クレーム対応の失敗として「東芝クレーマー事件」は時代を象徴する事件として記憶されていますが、今回の不祥事はその比ではありません。
7月21日に、第三者委員会による調査報告書が発表されました。
・経営上層部が意図的な利益かさ上げを容認していたこと
・達成不可能な目標設定で不適切なプレッシャーを現場にかけたこと
・内部統制が形骸化していたこと
などが上げられました。
東芝は早くから委員会設置会社になり、社外取締役も存在し、内部通報制度もありましたが、形だけで運用に課題があったということです。
今回は不正会計ですので一見広報は無縁のように見えますが、広報が組織において果たす役割の中には「企業文化の構築と改革」があります。(「広報パブリックリレーションズ入門」)
私が報告書の中で着目したのは、「上司の意向に逆らうことができない企業風土」です。
表現力に優れた能力を持つ広報部門が、リスクを気軽に語る雰囲気を作ることが出来なかったのだろうか、と考え込みました。